『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観てきたので感想を書きます。
ネタバレがあるのでご注意を。
この記事の目次
総評
点数をつけるなら60点くらいです。
作画や演出、声優の演技、音楽は非常に素晴らしかったのですが、やはりストーリーが……。
『序』『破』は本当によかったんですけどね。
『Q』であさっての方向に伸び切ったストーリーを、正規路線に戻せなかった印象を受けました。
「実はみんなシンジのことを考えてたんだよ」って言われても「はぁ……」って感じです。
全部『ヱヴァQ』が悪い。
突然出てきて解説されない新設定は、今さらなので何とも思いません。そんなの気にしてたら『エヴァ』は観られない。
考察してる方もいるみたいですが、与えられた情報が少なすぎて妄想を域を出ないと思います。
よくなかったところ
実は味方だったんだよ
「実はみんなシンジのことを考えてたんだよ」っていうのがエヴァンゲリオンらしくないというか……。
アニメ版や漫画版では、シンジと深い関係になったひとたちがいなくなったり、眠ったままになったり、死んだりしたことで、ひとりぼっちになってしまったからこそ、サードインパクトのシンジの願い、結末にも魅力があったわけです。
つまり、徐々に上げていき、最高潮に達したところでガッと下げることで生まれる魅力があったわけです。
コードギアスもそのパターンでしたね。
が、今回のは……何?
下げておいてグッと上げることで、みんなの期待を背負って世界を救いにいく勇者のようになってしまい、とてもチープに感じました。
全部『ヱヴァQ』が悪い。
真希波・マリ・イラストリアスとは何だったのか
真希波・マリ・イラストリアスは何だったんでしょうね。
いや、「実はこういう設定があるんだよ」って話じゃなくて、ストーリーに必要でしたかね?
結局、最後まで必要性を感じませんでした。
初対面に近い真希波を信じるシンジには、感情移入が難しかったです。
さらに、最後は真希波エンド。
どういうこと?
アスカの扱いが雑
アスカの扱いが雑でかなしくなりました。
惣流・アスカ・ラングレーとは別人で、俺たちの惣流・アスカ・ラングレーはいないんだなと実感しました。
いや、アニメ版の扱いもヤバかったですけどね。ただ、それでも彼女はヒロインでした。
アヤナミレイ(仮称)のことは?
最後は誰もアヤナミレイ(仮称)のことを考えてなくてかなしい。
よかったところ
くり返しになりますが、作画や演出、声優の演技、音楽は本当によかったです。
第3村の描写に時間が割かれていた
第3村での、アヤナミレイ(仮称)が人間性を得たり、シンジが立ち直ったりする描写に時間を割いたのはとてもよかったです。
『ヱヴァ破』のシンジとアスカの描写にも時間を割いてほしかった。アスカがシンジの何に魅力を感じたのか、カットされまくりでしたからね。
ユイがシンジを助けるシーン
アディショナルインパクトのときに、ユイがシンジを助けるシーンはすごくよかったです。
ゲンドウの比喩表現だと思われた「ユイはシンジの中にいた」というのが、アディショナルインパクトの中で描写されたのはドキドキしましたね。
しっかりと終わらせたこと
ストーリーはともかく、しっかりと終わらせたことはよかったと思います。
エヴァンゲリオンだからね、「終わりがないのが終わり」とか言い出しても不思議はないので。
おわりに
個人的にはエヴァンゲリオンらしくないストーリーだなと感じました。
とはいえ、これがエヴァンゲリオンの公式である以上、私がエヴァンゲリオンを曲解してることになるんですけどね。
私のエヴァンゲリオンは『まごころを、君に』で終わっていたようです。
ないとは思いますが『まごころを、君に』を今回のクオリティでリメイクされることがあれば、エヴァファンとしてこれほどうれしいことはないですね。